gray zone

例のライブドア問題について,サンデープロジェクトで結構つっこんだ話がなされていて,ためになった.やはり,ホリエモンはグレーな部分の中でもかなりクロに近い部分にいってしまい,逮捕されたという感じ.彼,または彼の側近を含めて,容疑は認めても,悪いことはしていないと感じだろうか.例えば粉飾決算にしても,カネボウエンロンの時に比べて,明らかにその度合いが弱い.この程度の容疑で検察が動くのはおかしいというのもわからなくはない.
風説の流布についても非常に弱い容疑だ.別にもっとわかりやすい容疑をねらうための,別件逮捕という感じがする.例えばより罪の重い脱税とか.
ネリストがいうには「グレーな部分で味を占めた人は,グレーな部分だけで満足することは少ない」ということらしい.なんとなく納得できる話ではある.例のマネーライフの件にしても,何が違法で,何が違法でないのかがわかりにくい.それだけグレーな部分が多すぎるということだろうか.
財部誠一さんが言っていたが,ホリエモンは株式を大量に発行し,株式交換によって企業を買収し,その株式を海外のファンドを使って,売却し,利益を還流させていたという(ただし,これはまだ疑いの段階であり,還流させた手口はまだわかっていない).これは,いわば株を発行して,それを資産にせずに,利益にしているようなものである.つまり,株式を発行し続けなければ,いつか利益が出なくなってしまう.そういう意味では「ねずみ講」とか「豊田商事」といい方をされるのもわからないでもない.ただ,それら二つは真っ黒なのだが,ホリエモンがやっていたことはやはりグレーなのである.ライブドアは利益をそれですべて出していたのか?といえば,そういうわけでもない.だから,豊田商事のように確実に潰れるのかというと,そうとも言い切れない.だから,そもそも当人には悪いことをやっているという意識はなかっただろう.
もっとじっくりやれば,有望な企業になったかもしれないのに,残念ではあるが,いわば出る杭に対する,見せしめ逮捕という感じだろうか.ライブドアと同じようなことをやっていたベンチャーキャピタルは冷や冷やしているかもしれない.