e-dreams〜IT長者になれなかった男

ヒストリーチャンネルでやっていた番組.ネットでビデオや日用品などの注文を受けて,自転車で配達をするというベンチャー企業kozmo.comの短い栄華盛衰を描いたドキュメンタリーである.アメリカのドットコムバブルは日本以上だったようで,小さなこの会社もamazon.comの融資やスターバックスなどとの事業提携など,ものすごい勢いで事業を拡大させることができた.
しかし,ドットコムバブルが弾けた段階で,事業の未来性よりも現時点での収益が重要になり,大幅な赤字を出していたkozmo.comは次第に窮地に立たされていく.そして,最後は創業者である韓国系のアメリカ人がCEOを解任され,物語は終わる.
amazon.comも初めは大きな赤字を出していたが,なんとか軌道に乗ってきたところである.しかし,kozmo.comは事業の拡大に目を奪われて,収益を安定させることができなかった.この番組について,あのホリエモンが,こう述べている.(http://www.nowondvd.net/products/e-dreams/index.html)

クライマックスは、IPO(新規株式公開)の申請をした夜の内輪のパーティのシーンだ。壇上から、社員に向けて「あい・ぴー・おー」と叫ぶ社長。今見ると可哀想になるというか、はしゃぎすぎ、というか。このドキュメンタリーフィルムが存在することは、以前からうわさで知っていたが実際に見ると、思った以上に面白かった。

くしくも,ライブドアの忘年会のフィルムが何度もワイドショーで流されたように,ホリエモンも同じ末路を辿ってしまった.ホリエモンと彼が大きく違うところは,ホリエモンは収益を安定させなければ事業が続けられないことをよく知っていたこと.だから,粉飾をしたのだろう.(彼の表現を借りれば,「お化粧」したというらしい)ただ,そのおかげで,ホリエモンはいま拘置所の中に入れられている.
ところで,どことなく,ホリエモンとkozmo.comのCEOは似ているような気がする.マスコミによる露出が好きなところもそうだけど,とくに全体的な雰囲気が似ているように思う.