博物館めぐり

苫小牧から白老へ移動し、アイヌ民族博物館へ。ここでは、実際のアイヌ舞踊を見ることができる。展示自体はあまり多くないので、それほど時間はかからないのだが、学芸員の人とずっと話し込んでしまった。面白い話を色々聞けたのだが、驚いたのはアイヌ人たちが作業している写真のほとんどはヤラセだということだった。つまり、ハレの服を着て作業などしないのに、学者にサービするためにわざとそういう服を着て農作業をしたりしているらしい。また、白老の方では農作業自体が衰退していたらしい。これは海産物が多いことと、オオウバユリがたくさんとれたことにより、食料としては十分だったかららしい。すなわち、アイヌの人たちは環境としてとても恵まれていたということだ。一般的には江戸時代あたりから圧迫があり苦しい状況だったということだが、一番厳しかったのは、明治に入って、日本人として生きなければならないことが課せられてきたあたりかららしい。そこまでは、なんだかんだとうまくやっていたようだ。アイヌは文字がなかったのだが、国家というものがなく、コタン(ムラ)単位の社会では文字はいらなかったとのことだ。つまり、殆どの人が知り合いという状況では確かに、そうなのだろう。ただ、結婚はコタン内では殆ど行われなかったらしい。血が濃くなることを避けたり、あるいは女性を拉致するなどということもあったとのこと。
午後からは、登別へ移動し、知里幸恵銀のしずく記念館へ。正直に言えば、知里幸恵さんについてはアイヌ神謡集を作った人、くらいの知識しかなかったのだが、学芸員の方がいろいろ質問に答えていただいたおかげで学ぶことができた。展示物自体はあまり多くないので、見るだけであればすぐ終わってしまう。
室蘭本線で札幌へ移動し、学園都市線石狩太美へいどうして「あんぷらぐ」という民宿へ。とてもふかふかのベッドで寝られる素晴らしい民宿だった。温泉へ送迎していただいて、宿主さんと一緒に風呂に入り、話し込んだ。