女王の教室

視聴率を稼いだドラマらしい.一度も見たことのないドラマについてあれこれ言うのもどうかと思うが,ホームページのストーリーを読んでしまうとあらかたわかってしまった.(知らない人は1話および最終話あたりを読めばだいたいわかる)
で,かなりの論議を呼んだらしい.確かに,ちょっと面白くしすぎな点があるように思うが,まぁ,ドラマなんだし,いいと思う.それに,このドラマが教育に悪いという意見はどうも納得がいかない.確かにこんな先生に教えられたら,どうかとも思うが,このドラマを見ることが悪いというのは,わからない.ちょっと主人公である先生のやり方がなんでもうまくいきすぎているのが,どうかと思うけど.
このドラマでは主人公の先生が徹底的に競争主義を導入するというのが,メインになっている.つまり,負け組と勝ち組をはっきりさせて,負け組に対しては徹底的にバツを与える.従来の教育ではタブーとされていた序列化を徹底的に推し進めるとどうなるか?という点である.これは,いわば小泉構造改革の流れを教育に持ち込んでみたという考え方もできる(なんか最近同じ事ばかり書いているなぁ).「ホームレスになりたくなかったら,働きなさい(勉強しなさい)」という脅しをかけるという,現代の社会の構図をそのまま小学校にもちこんでみたということ.確かに面白い.
このドラマの一番の嘘は,親たちが教師の味方だという点だろう.これは絶対にない.このドラマに反発を覚える親がたくさんいるように,絶対にこんな先生は,親が許さない.そして,現実の教師もおそらく親の介入に泣かされているはずだ.
この教師の異常な情熱を見て,ヴィトゲンシュタインを思い出す.この人も教師になったが,出来の悪い子供達にたいするしかり方が半端ではないくらい,極端に教育熱心だったが故に,親たちに煙たがられ,教師を追われてしまう.

愛することと、甘やかすことは違います。12歳の子供なんて、まだ未完成な人間なのよ。
その未完成な人間に、媚を売ったり、彼らを甘やかしたりしてどうするんですか!
罰を知らないで育った子供は、社会に出ても、問題や事件を起こす大人になるだけです。

しかし,だからといって,罰を与えれば与えるほどいい,ということにもならない.

学校を辞める子が出てきても構いません。他の児童に悪影響を及ぼす子なら、いない方がマシです

金八先生の「腐ったミカン」に対抗した台詞かと思う.こういう風に言えたらと思う教師は多いのではないか?親は絶対に許さないと思うけど.