無知の代償

強欲の代償・ボーイング危機を追う

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ボーイングは事故後も瑕疵(かし)をはっきりと認めず、報道や議会の追及で不利な事実が明らかになるたび「防衛線」を後退させた。設計のまずさを覆い隠せなくなると「連邦航空局による認証の手続き自体は法令に従っていた」と弁解した。

また事故を起こしますよと言っているようなものだ。

米国はその他全員には資本主義なのに、富める者にとっては社会主義

失敗した経営者になぜか多くの報酬が払われているということを揶揄している。つまり、業績に連動しない報酬を得られることを意味しているのだが、とすれば経営者は株主からのプレッシャーから守られているはずであるから、短期的な利益を追って、安全性を損なうような経営をおこなうのはおかしい。
では、原因は何にあるかといえば、私はトップダウン経営の悪い面がでたのではないかと思う。
例えば、彼らが受け取っている報酬からみても、経営者が自分のことを優秀・エリートだと思っているはずだ。そして、旧来あった会社の文化、システムそれらをすべて愚かなものであるとみなし、航空機製造会社としての独自性を無視してまったのではないだろうか。

トップダウン経営はうまくいくこともある。旧来のやり方を変えることで、より効率化することもある。しかし、経営者が現場を知らず、他の会社がやっているからとか、ビジネススクールで学んだ知識だから、という理由だけで進めてしまうと、その会社が持っていた大事な部分まで失わせてしまうことがある。
強欲の代償ではなく、ほんとうは単に無知の代償ではなかったか。

株主の利益こそ至上――。そううたわれてきた米国の株主資本主義だが、現実には株主の資産すら経営者が食いつぶす、経営者至上主義に堕していたのではないか。

強欲であれば、経営を傾かせ、株主価値すら落としていることに説明がつかない。
ただプライドだけが高く、政治力や駆け引きだけが優れて、能力や実績ではなく、出身大学などのコネクションで地位に就くことができる社会主義国家の官僚のような存在である。