33歳ガン漂流ラスト・イグジット

奥山さんの遺筆となった最期の日記.スターバックスで読破.
私がここに書いている日記と同じように,奥山さんの日記もすべてを開けっぴろげに書かれているわけではない.人にこう思われたい,というバイアスが多少なりともかかっている.
それを感じたのは著者の両親が書かれた日記だった.そこには人間としても普通に感じられる著者の姿が描かれていたし,共感できた.
しかし,私が言いたいのは,だからといってこういうバイアスがかかった日記は無駄であり,素直な感情を出さないと意味がない,ということではない.どちらも,私の一部であり,真実なのである.
著者の日記は恐らく最も彼らしい部分だけを抽出したものであり,そうでない部分というのはフィルターがかけられてのぞかれているのである.
人は占いのように単純にどういう人であると分類することはできないと思う.人には様々な側面があり,そして,環境によって気分によって,そのうちのいずれかの部分が大きく出てしまう.
そういう簡単には割り切れない存在なのだろう.だから,人は答えがいつまでもでない自分探しをいつまでもして,そしてどんな答えが出ても,当たっているかのように感じてしまう.

33歳ガン漂流ラスト・イグジット

33歳ガン漂流ラスト・イグジット