お昼から診断士更新研修。両国へ。午後いっぱいを使う。初めは中小企業に対する背策について。いろいろな補助事業がある。こういうのを紹介するのが診断士なのだろうが、どちらかといえば、自分の会社に適用できないか検討する必要を感じた。個別原価計算が価格交渉に必要らしい。確かにそうかもしれないが、小規模企業でどうやって個別原価計算を行っているのか興味がある。
そのあとはイノベーションに関する講演。とても長いが面白く聞くことができた。初めはiotで大田区の製造業を支援するといったものだったが、そんなものは意味があると思えないというのは同感。いきなり技術から入ってどうするんだと思うことが多い。
より確かなニーズを探っていくと、費用を削減するIT技術の導入よりも、売上の減少が課題となっていることがわかった。おそらく多くの小規模企業に必要なことだろう。費用の削減が必要なのは売り上げを順調に拡大している企業であって、仕事に忙殺されているような会社だが、そのような会社は小規模企業にとどまっていることも少ない。そこで、事業を拡大させる戦略としてソリューションを提供できるコンサルタント事業を立ち上げようとされていた。確かにニーズもありそうであり、強みを発揮できる可能性はある。しかし、一方でとても難しい話だとも感じた。機械加工という職人技の世界から、いわゆるソリューションの事業というのは全く違う性質の仕事であって、それを提案し、実現することの難しさはあったのではないかと思う。それがイノベーションというべきものだとするならば、
- 新しいことに挑戦する動機づけをどこまで維持できるか
- 外部資源(大田区の機械加工業以外の企業)といかにつながりを作り、適切に協業できるか
- 現在の強みから新たな強みをいかに拡大し、創出できるか
という課題をいかに解決できるかという点がポイントであるように思った。
私の仕事は、売り上げ拡大よりも費用抑制側の仕事であり、新たな事業拡大を提案する仕事ではなく、現状の業務の把握に時間を費やす仕事を行っている。そういう意味では私の仕事との距離をずいぶん感じるとともに、自分自身の会社でイノベーションを起こすとしたら何がいいだろうということを考えながら、講演を聞いていた。