Frontiers

NHKの新番組であるFrontiersの録画を続けて2つ見た。

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まず、日本人はどこから来たのか。いわゆる縄文と弥生の2段階説というのが定説だったが、最近の研究で、むしろ古墳時代にやってきた東アジアの広範囲にわたる人々の遺伝情報がかなり重要になってきたらしい。

現代日本人(東京)の縄文のDNAの割合は1割程度に過ぎないが、弥生も同じくらいに過ぎないという。とすると、それ以外の遺伝は何か?それは実は東アジアに広範囲に分布していている遺伝情報が様々見られる(番組では、「謎の集団」と呼んでいた)という。つまり、古墳時代は様々な民族や言葉が行き交うカオスな状態だったのではないかという新しい仮説が紹介されていた。

古墳時代の初期は卑弥呼の時代でもあり、中国は後漢末期で人々は戦乱に苦しんでいた。このような混乱した事態から逃れるために、中国などから人が大量に移住してきたのかもしれない。万葉仮名を使った言葉による記録が少しずつ現れ始めてくる。この時期にはすでに天皇(大王)はいたことになっているので、その統治下で移民が増えるとなると、政治はたいへんなことになっていたことだろう。

縄文人に近いと言われているタイの原住民の人たちの顔は、眉の上が盛り上がっている。一方、日本でも最も縄文の遺伝が濃いアイヌ人ともあまり似ていない気がする。当時の縄文人は全身が入れ墨だらけだったらしいが、あまりそういう感じもしない。入れ墨は色が黒かった祖先への敬意だったのだろうか。ただ、顔を真っ白に塗っていた女性がいたのは、日本の文化にも似ている気がした。

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AIの最前線の話。「推測することが知能である」という指摘があった。ChatGPTは文章や文字の続きを膨大なデータベースから確率で求めているという。つまりそれは人の気持ちを推し量ることに近い行為なのではないか、という仮説である。面白い指摘のような気もするが、ただなにかわからないもやったした部分が残る。

人間の脳は電球一個くらいで膨大な計算ができるため、効率がすごいという。そこから、実際の脳細胞を使ったコンピューターができないか研究しているという。すごそうだが、できていることがまだまだすぎて、有望なのかどうかはわからなかった。