図説 聖書物語 旧約篇 ふくろうの本(ISBN:4309726607)

旧約聖書の世界を中世から近代に書かれた絵画を示しながら紹介した本。あきることなくつづけて読めた。問題はあまり網羅的でないこと。旧約のほんのさわりだけを扱ったに過ぎない。しかし、旧約を読んだことがない私にはとても興味深い内容だった。
モーセの話は映画で見ていたのでよく知っていたが、その後の「第4章 戦う人ヨシュア」の物語がすごい。別の視点から見れば、これはただの侵略である。しかし、Promised Landだからいいのだ?と。まぁこの時代は仕方がないか。
「第5章 イスラエル建国物語―ダヴィデとソロモン」は有名なダヴィデとソロモン王の話。この二人が王になりどのようなことをしたのかということ赤裸々に語る。このあたりの旧約はとてもおもしろい。神懸かり的というよりは人間の持っている限界をうまく表しているように思う。
そして、王国は崩壊し、新たな預言者がやってくるだろうという言葉とともに新約につながっていく。