図説 聖書物語 新約篇 ふくろうの本 (ISBN:4309760244)

旧約の続編。イエスの物語を中心に、使徒の話はすこしだけ、黙示録はほとんど触れられていない。やや残念。
イエスの物語を読んで感じたのは、病人や悪霊に憑かれた人を治すという奇跡が何度も何度も書かれていることだ。このような人たちはイエスが現れるまでは迫害を受けていたが、イエスは積極的に彼らに接して癒していたという。
ユダヤ教サドカイ派パリサイ派に分かれていたが、とくにパリサイ派はイエスを敵視した。なぜか?それはパリサイ派ユダヤ教改革派で、より戒律に厳しいことを目指したからだという。イエスは逆に「戒律は人のためにある」とし、戒律を頑なに信じるパリサイ派にけんかを売る。そして、殺されてしまう。
このあたりは、メルギブソンの「パッション」でも見ることにしよう。(町山さんは批判しまくっているけれども)
他には、バプステマヨハネサロメの話や、なぜイエスはナザレが出身なのにもかかわらず、なぜベツレヘムで生まれたことになっているのかの説明などがある。
キリスト教徒ではない私はイエスの物語をそのまま事実として受け入れるのではなく、どうしてもその裏にあったであろう物語を邪知してしまう。こんなことを書いているけれど、実際はどうだったのだろうか?と。本当にイエスは母であるマリアに「女」と呼んだのだろうか?マリアは本当に子供を「主」と呼んだのだろうかと。
イエスは「家族は捨てなければならない」というようなことを言った(正しくないと思うが)、がそのときにはいったい何があったのだろう?とか。