数理論理学

論理式に関する様々な定義について。命題変数と論理式、論理結合子(いわゆる論理演算子)、論理学におけるトートロジーになどが説明された。
命題変数とはpropostional variableの略なのだが、別に数とは何の関係もないが変数と訳すらしい。これを嫌って命題変項とよぶ研究者もいるそうだ。というちょっとした話に先生のレベルの高さを感じる。
ほかにもいろいろ興味深い話がある。たとえば、「AまたはB」という場合、命題変数のA, Bがいずれも真ならば、真になるのだが、これは通常の日常言語の考え方とは明確に対応していない。なぜなら「パンまたはライスをください」という命題に対して「パンもライスもください」というのは明らかにおかしい答えである。このように通常会話ではむしろ排他的論理和として使用されることが多い。
同様に、「ならば」という論理結合子も通常考えるとどうもおかしい真偽値表を構成する。「AならばB」のときAが偽ならば全体の真偽値は必ず真になるという考え方である。これは、前から納得がいかない考えでもあったが、論理式を考えると納得した。 たとえば、「(A または B) ならば A」という論理式は、常に真である。つまりBがどの値をとろうがA次第だからである。こう考えると、確かに「ならば」はこのように定義されなければならないと納得した。
そして、このように真偽値表にすべて真が並ぶようなものを論理学におけるトートロジーとよぶ。
ほかにもおもしろい話があった。
「叱られなければ、勉強しない」という命題があった場合に対偶をとると「勉強すれば、叱られる」となり、これが成り立つから、勉強をしないのだという詭弁のお話。非常に納得した話だったが、面白すぎてここに書くのはもったいないのでやめておこう。