対角線論法

まずは、べき集合が非可算であることを示す。
可算とは自然数の集合Nから対象の集合Xへの上への関数が存在していることを指す。つまり、集合Xには対応していないNが存在しないことになる。
ようするに、集合Xの要素にそれぞれ自然数の番号を付けていくことができるか?ということと同じ意味になる。
有限な集合は当然番号を振ることができるので、可算である。整数は、マイナスを余計に数えればよいので、問題ない。
整数が大丈夫であれば、どんな数でも大丈夫のような気がするが、実数や自然数の部分集合全体の集合(ようするにべき集合のこと)は可算ではない。
なぜか?ここで登場するのが、対角線論法である。
まず、P(N)を可算であるとする。
そうすると、可算の定義より、ある上への関数f:N→P(N)が存在する。(定義そのまま)
ここで、(ここがポイントなのだが、)Nのある部分集合Sを以下のように定義する
S={n∈N|nはf(n)の要素ではない}
こんな反則のような部分集合を定義する。f(n)は定義より部分集合なのだが、その中の一つの値nについて異なる部分集合を考えてみようということだ。
ところが、一方fは上への関数なので、あるo∈Nが存在してf(o)=Sである。ようするにこのSも自然数の部分集合なのでちゃんとo番目で対応付けがされなくてはならない。
しかし、対応付けできないのである。
なぜなら、o番目がSの要素だということは、Sの定義であるoはf(o)の要素ではないという定義に矛盾するし、o番目がSの要素ではないとすると、f(o)=Sの定義に矛盾する。
これは考えてみれば当たり前である。Sはすべての順序づけられた部分集合とはnの部分だけが要素ではない部分集合であるから、絶対にどこかが違うのである。
どうだろうか。まだ、なんか狐につままれたようなお話だ。