竜馬がゆく

テレビ東京系のドラマ。1月2日にやっていた10時間ドラマである。10時間もあるのに、なんか駆け足だったような気がした。まぁ、どの役を誰がやるのかが楽しみの一つでもあって、仕方ないところもあるのだけれど。
一番印象に残ったのは、「おりょう」役の内山理名の背中かなぁ。ってエロですな。実際はあのときは裸で竜馬に伝えたと言われているけれど、さすがに着物を着ていました。ていうか、みている点が違いすぎるかも。
で、竜馬暗殺の黒幕はわからないことになっているけれど、話の流れからすると「薩摩藩」という線が濃厚になっている。しかしなぁ、それはどうだろう。殺す動機が少し弱いような。あと殺されるときの話も微妙に違うと思うけれど。
司馬遼太郎のこの本は中学時代に何度も読んで、幕末にすごく興味を持った。ただいまから考えるとやや現代の思想に竜馬を引きづり込ませすぎのような気がする。たしかに後の板垣退助自由民権運動へとつながっていくのかもしれないという部分は差し引いたとしても。
竜馬のすごいところは、志士であるにもかかわらず、「理念」で動かずに、ちゃんと自分の頭で物事を判断していたことだ。薩長同盟も、理念だけで動いていれば決して結ばれることはなかったかもしれない。それを商人としての利害関係で結んでしまった。
竜馬が生きていたら、同じ土佐出身であり後の三菱グループの始祖となる岩崎弥太郎のようになったのだろうか。でも、そうなっていたら今のように人から愛されることもなかっただろうけれど。
そして、「理念」ばかりが増大してやがて破滅していく日本を考えると、竜馬のような人が明治政府に残っていたらあのようなばかげた戦争もなかったかもしれないと思う。いや、きっと三国干渉や日露戦争などの史実をみていると明治に活躍していた人たちはそのあたりの引き際をよく理解していたのかもしれない。