時間があるので

新幹線の中でこれを打っている。せっかくなので、今の気持ちを少し書いておこうと思う。
入学した当初は、授業と課題に追われた日々だった。ようやくなれてきた頃、父の病気と死が来た。私の立場上、誰も相談する(というよりもそんなことを相談しても何の解決にもならないし)こともできず、苦しんでいた。
父の死後は本当にこの進学が正しかったのかと自答することが増えた。父の日記を見て、本当は進学してほしくなかったのでは?と疑った。口ではがんばれといってくれたけれど。
卒業研究が終盤になると、この気持ちがさらに増えた。いったい何だったのか?と。そして、このことについて愚痴を言う自分が嫌になった。自分のやったことをぼやいてもどうにもならないのに。そして、よく考えたらそれは「それだけはするまい」と会社を辞めるときに考えていたことだった。そんなことを考えていると少し塞ぎ込んでしまった。
そんなとき、思わずきたのが「首席」の通知と、卒業式の「挨拶」だった。緊張したけれど、なにか自分の中で変化が起きたように思う。入学から存在していた自分を取り巻いていた壁が壊れて、何か重しのようなものがとれたような気がする。これまでなにかと放っておいた数学の勉強が進むようになり、嫌われないだろうかとおそるおそる接していた同級生や教職員の人たちにも気軽に話しかけられるようになった。こんなに積極的な自分であったのはいつのことだったろう。
そして、本番では先生達にほめられるくらいうまくいった。担当の教授からはパーフェクトとまで言っていただいた。自分にとってはものすごく大きな自信になり、もっとたくさんの人の前で話をしたいとまで思うようになった。今までの自分では考えられないことだ。
「やっぱりここへきてよかったです。ありがとう・・・。」
家に帰って、父にこのことを報告したい。今はそう思っている。