数理論理学(第4回)

今日は、論理式の標準形(normal form)を求めようという授業。これはできるだけ論理式を扱いやすい形に変換しようとするものである。数学を取り扱うと必ずと言っていいほどこのような概念が存在する。
標準形には2つあり、論理和標準形(Disjunctive Normal Form)と論理積標準形(Conjunctive Normal Form)がある。論理和標準形とは、まぁ想像がつくが、

A1∨A2∨ ・・・ ∨Am

と、こうなっているような論理式である。で、Aiはどうなっているかというと

Ai=Bi1∧Bi2∧・・・∧Bin

で、Bijはリテラルでなければならない。リテラルとは、命題変数か、命題変数に否定がひとつだけついているものとなる。つまり外側が論理和、内側が論理積になっているという構造である。
ちなみに論理積標準形はこの逆バージョンである。
この変換は比較的機械的に行うことができる。
まず、論理式から「ならば」を論理和の形に変換する。つまり、

A⊃B〜¬A∨B

なので、この形に置き換える。(〜は前回やった論理的に同値という意味)
つぎに、¬と他の論理結合子を入れ替えてリテラルの形に変換する。これはド・モルガンの法則や二重否定は肯定の考えを使えばよい。
最後に分配則を使って、求めたい標準形の形に持っていく。
という手順である。機械的な作業なので、なれればそれほど難しいものではないが、面倒。
つぎに、真理値表を用いて標準形を作る方法についてのべ、最後に次の命題論理についての簡単な導入でおしまい。