世界経済

  • EUの中心はフランスとドイツである。初めは関税同盟から出発した。特に対外共通関税は主に工業品を主体としたもので「ドイツ向け」、共通農業政策は農業国である「フランス向け」といわれた。とくに農業政策における輸出補助金と輸入超過金は巨額になり、後々まで問題になった。
  • 1992年のマーストリヒト条約において通貨統合がなされた。この統合のメリットとしては、為替リスクがないこと、取引コストがないこと、価格の透明性があること(他国との価格差が明確になる)、資金調達と運用が便利になる、企業の競争力があがる、といったものがある。
  • 一方、ユーロを導入するためには4つの基準があり、財政赤字やインフレ率、長期金利、為替レートの安定などがある。
  • EUには地域格差が大きい。特に一人あたり所得では、旧EUでは南3カ国(スペイン、ポルトガル、ギリシア)が低く、さらに新拡大EUではその3カ国よりも低い国が多い。失業率、若年失業率も同様である。
  • そこで、EUでは所得の再分配として構造基金を作っている。これは後発地域(一人あたりGDP比75%以下)、衰退している農村、漁業地域、自然条件の厳しい地域、職業訓練などに当てられる。
  • ASEAN+3(+3とは日本、中国、韓国)でも、対米依存度が高く、ドル依存をしている状況から脱するために、チェンマイ・イニシアティブにおいて通貨スワップ協定が結ばれた。そのほか、アジア債券市場構想など地域統合化の動きがある。