BSドキュメンタリー「世界貿易センタービル跡地 復興計画の舞台裏 」

復興計画のためにコンペティションが行われ、勝ったデザイナーによるマスタープランについて、実質的なオーナーが納得せず、違うデザイナーを選び、混乱していく様を描いたもの。そもそもデザインの方向性が異なるものを一つにしようとすることが問題なのであり、結局妥協の産物の中途半端なものができあがってしまった。
このセンタービルを印象的なモニュメントとのしての役割を担わせるか、あるいはより実用的で経済的な合理性を優先させるかという点で全く異なり、相容れるものではなかった。どちらかは完全に相手のデザインを否定しようと試みた。もちろん、この世界的に最も有名なビルのデザインに携われることほど栄誉なことはない。よって、どちらも最後まで引かなかったようだ。
結局、どっちつかずの、どちらの長所も持たないものができあがってしまう。遺族はそんな人たちの争いを冷ややかな視線で見つめるような、そういう印象を与える映像だった。