企業の経済学

競争戦略について.組織は思考の癖をもつとか,経営資源の獲得,蓄積をどうするかといった資源戦略,そして業界のポジションから戦略を構築していく,ポジショニングアプローチについてのお話.
わかるんだけど,それを実践することはとても難しい.というのは,やはり誰も未来を予測することができないから.あるいは,客観的にその決断が間違っていることを述べることが難しいからである.
これは,前にも述べたが,未来のことがわからない以上,未来を予測して判断を行う行為を論理的に考えていくことは,難しい.つまり100%間違いない戦略の選択などということは絶対にあり得ない.
後から,結果論でそういわれてもなぁ,みたいな感じにはならないだろうか?
例えば,ダイエーイトーヨーカドーの話がでてきた.ダイエーは過去の成功経験から規模の経済を追求しすぎて失敗し,イトーヨーカドーは規模の経済を捨て,商品価値の追求という点にシフトして成功したという.たしかにわかるのだが,あのバブル期のころに規模の経済が将来的に有効性を失うだなんて誰が考えただろうか?そんなもん予測できたのか?
むしろ重要なことは失敗をできる限り小さくして,方向を修正できるようにすることかもしれない.しかし,それだって今は失敗でも将来的には成功するかもしれない.だからその方法を捨てるのも難しいかもしれない.
やはり経営学はモデル化のお仕事であって,金儲けの方法を示しているものではないことは確かだ.