ETV特集

今までの日記で色々取り上げていた,ガン漂流エボリューションの奥山さんのドキュメンタリー.実物をはじめて見たが,思ったよりも真面目そうな感じの人に思えた.番組はほぼ日記のストーリーのあらすじと,彼の友人によるビデオ撮影が中心になっている.ラーメン屋さんの主人の話を押さえていてくれたのはうれしかった.
このように映像として接すると,よりリアリティを感じる部分と,まるでドラマを見ているかのようなリアリティのなさを感じる部分の,相反する思いを感じた.文章を読んでいるときは,まるで自分がそう感じたかのように著者の思いとリンクしていくのだが,映像で見ると,逆に観察者になってしまう.もちろん年齢も近く,趣味も似ているので,普通のドラマを見ているのとは距離は近いのだが,日記を読んでいたときのあのつらさを感じなかった.もしかしたら,もうあらすじをあらかじめおさえていたから,かもしれないが.
映像では脳に転移したときの恐怖を素直に話していた.ずいぶん淡々としすぎていて,もしこれがドラマで,役者がああいう演技をすれば絶対に駄目を食らいそうな,それくらい淡々としていた口調だった.それが,文章の調子と相まって,あの文章は強がり(という部分もあったかもしれないけど)というよりは,あれが素直な気持ちだったのだろうと確信した.