たったひとつのたからもの(ISBN:416365450X)

小学校の入学を直前にして夭逝したダウン症の息子さんの思い出を、お母さんがつづったもの。以前に書いた明治生命のCMのモデルになった家族の物語である。
すごく泣くかと思ったが、そうでもなかった。むしろ、なにか力強いものを得たような気がする。文章そのものはすごく淡々としていて、なにか大仰な表現があるわけではなかった。だから、じわっと暖かくなれる本かもしれない。
amazonのレビューにあったように、行間からあふれるお母さんの思いが感じられるように思う。
もっといえば、写真がすごくいい。息子さんの笑顔のことを本当に屈託がないというのだろうと思う。ご両親の優しいまなざしをみると、父親になりたいと少し思うようになった。いままであれだけ嫌だったのに。