イノセンス

いつもの町山さんのページ(アンテナ参照)から。例のアニメ映画「イノセンス」について。

現実を写した模倣であったはずの、小説やドラマや漫画や映画やアニメやAVの中の異性や恋愛やセックスや、いや、人生は、
いつのまにか現実よりも優位に立ち、現実は常にそれに勝てない。
シミュレーションが現実を圧倒し、
これはもう逆転しそうにない

理想の形を小説やドラマに追い求めてしまって、そこから離れた自分を惨めだと思う。これは現代社会の一つの縮図だというが、本当にそうか?
人間とはそういうものであって、むしろその理想型を与えるものが、小説やドラマに変化したものが現代社会なのではないか。
つまり、それまでは、そのような理想型を与えてきてものが、家族や地域社会の規範であり、そして現代では小説やドラマがそれに代わっただけのことではないか。よって、シミュレーション社会なんていうものは人間が生まれてきて社会生活を送ってきてからずっとそうだったのではないのだろうか。
まさに、例のプラトンイデアを思い出す話だ。そう考えれば人間なんて何も変わっていないのではないかと思う。