リベラル

http://d.hatena.ne.jp/h-nakamu/20050115でリベラルの定義がよくわからないとあった。興味があって調べてみたが、とても曖昧だ。はてなキーワードにもWikipediaにもない。リベラリズムならあるけれど、これとはちょっと違うような気がする。
Wikipediaによると、自由主義リベラリズム)の記述にこうある

歴史的用語としてのリベラルという言葉と現在流布しているリベラルという言葉・或いは政治的立場は以って非なるものである。現在使われている"リベラル"の意味は社会民主主義的立場のことを主にさすが、アメリカの根幹にある、"古典的リベラリズム"とは自己責任の追求と権力の不干渉の意味で、またアメリカ人はそのために国を作ったのであるが、その思想の事を現在ではむしろ"保守主義"というふうに呼ばれている。つまりアメリカ人は"古典的リベラリズム"を"保守している"のであってそれが封建制度の遺産のある、またはそこからの解放(リバレイト)を願ったヨーロッパや日本との違いである。

つまり、リベラルとは解放という意味である、という考えである。なかなか的を得た考えだと思う。自己責任の追及や権力の不干渉とは、国家による富の再分配を行う社会民主主義的な立場と相容れないといえる。ただ、それだけではないような気もするが。
リベラルという人たちが主張する立場を考えていくと、ようするに「保守主義」とは逆の立場だといえる。

  1. 伝統的価値に反した行動について寛容である。例えばアメリカにおける同姓婚の問題や中絶に関して認めるなど
  2. 民族主義に対してあまり積極的でない。移民に対して寛容である
  3. 経済効率よりも経済的弱者救済を重視。政府による積極的な経済介入を認める。極端な例は「計画経済」であるが、普通は累進課税制度等による富の再分配を重視する。(ケインジアン
  4. 戦争や紛争に対して積極的でない。話し合い重視。やや孤立的傾向。国家権力の発動に批判的で、人権の侵害に対して敏感である

自由主義とは3番を除いて等しいと思うが、3番だけはリベラルと自由主義は逆の方向だといえる。そして、単に自由主義というとこれを意味することが多い。
ちなみに、ブッシュ君は2番以外はまったく逆の立場と言っていい。2番はグローバリズムの推進?という意味で移民には寛容だ。ということは、「反グローバリズム」はリベラルではないということか?
反グローバリズム*1はやっぱり経済格差による先進国による世界支配というイメージから、途上国(経済的弱者)への抑圧に反対するということなのだろう。つまり3番のイメージと同じか。

*1:他の日記にあったが、反グローバリズムは反経済学であるという指摘には納得。